『電力技術1』『電力技術2』『通信技術』『電気機器』『電子技術』『電子回路』『電子計測制御』本文フォーマットデザイン
『電力技術1』『電力技術2』『通信技術』『電気機器』『電子技術』『電子回路』『電子計測制御』は、高等学校で使用される電気電子系学科の教科書です。7冊共通して使用する本文フォーマットをデザインしました。
扱う専門分野は多岐にわたりますが、どの教科書にも統一した読みやすさと信頼感を持たせることを重視しつつ、それぞれの特徴が自然に立ち上がるよう構成しています。本文はスミと各冊専用の特色を用いた2色刷りで、図版や数式、回路図などの多様な情報が明快に整理されるよう、色の掛け合わせや文字のサイズ・ウェイトの調整によって視線の流れを整えました。2色であっても十分な情報量と変化を感じられることを目指し、強調や区分が直感的に判別できるよう細部を丁寧に設計しています。
電気電子系の教科書では、回路図や構造図、実験手順など、細かい要素が連続するページが多く、情報の「見やすさ」「迷わなさ」は学習体験を大きく左右します。そのため本文組版では、図が本文に入り込んでも読解の流れが途切れないよう、余白設計や図表の配置ルールを慎重に整えました。7冊それぞれに固有の内容と図版があるため、ページ構成のバリエーションは数多く必要になりますが、シリーズとしての統一感が損なわれないよう、基本フォーマットを揺るぎなく保ちながら柔軟に対応しています。
また、本文だけでなく、まえがき・目次・章扉などの前付け、付録・解答・索引・カラー見返しといった後付けのデザインも含めて一貫して制作しました。全体を通して、専門的な内容を扱いながらも高校生が自然に読み進められるよう、情報の階層を丁寧に整理し、学習を支える落ち着いたトーンを心がけています。未来の技術者へ向けた基礎を築く教科書だからこそ、その内容にふさわしい信頼性と視認性を備えた紙面であることを目指しました。
クライアント:実教出版 様
著者:堀桂太郎・藤田秀明・植松友彦・髙木茂孝・千葉明 様 ほか32名