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2025年4月6日 15:05

日本語版のブックデザインを担当した『もしぼくが鳥だったら:パレスチナとガザのものがたり』(翻訳絵本)が出版されました。

翻訳絵本『もしぼくが鳥だったら』ブックデザイン(表紙デザイン)

このたび、日本語版のブックデザインを担当した『もしぼくが鳥だったら:パレスチナとガザのものがたり』(ゆぎ書房 様)が出版されました。この作品は、UAE(アラブ首長国連邦)で生まれた翻訳絵本で、パレスチナのガザ地区を舞台にした物語です。(文:ファーティマ・シャラフェッディーン 様 絵:アマル 様 訳:片桐早織 様 巻末解説:鈴木啓之 様)


初めてこの絵と翻訳された文章を拝見したとき、ガザの現状を想い、本当に胸が締めつけられるような気持ちになりました。繊細で力強い絵、そして率直で誠実な言葉たち。特に解説文の「オレンジの木」は何度も読み返したほどで、内容の本質に静かに、けれどしっかりと寄り添っていて、本当に素晴らしいものでした。


この絵本は、パレスチナ問題という重く複雑なテーマを扱っているにもかかわらず、主人公である少年の目線で物語が語られているため、自然に心に入ってきます。解説文もまた、やさしい言葉で補足されており、読者が理解を深められるよう丁寧に書かれています。お子さまにもぜひ読んでいただきたい、そんな一冊です。



翻訳絵本『もしぼくが鳥だったら』ブックデザイン(表紙・帯デザイン)

デザイン面では、表紙には原書と同じく特色の金を使用した5色刷りを採用しました。日本語版だけの仕様として帯がついており、これは完全にオリジナルのデザインです。帯と解説文のビジュアルには、物語にとって象徴的な存在である「オレンジの木」をモチーフに取り入れました。これは、読者が物語を開く前から、すでにその世界にそっと足を踏み入れられるよう願いを込めたものです。


また、絵本の刊行に合わせて「ガザの子ども図書館展」が全国各地で開催されています。展示にご協力くださっている書店様や団体様のお力添えにより、少しずつその輪が広がっています。この絵本、そして展示が、パレスチナやガザに関心を持っていただく小さなきっかけとなれば、これ以上の喜びはありません。たくさんの方に届くことを心から願っております。

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